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こんにちは。店主の菊地です。昨年の春から一緒に仕事をしてきたバーテンダーの野村くんが、きょう栞日を卒業します。あしたからは自身の店〈good drinks KINO〉開業に向けて、本格的に準備を進めていくことになります。この一年、野村くんは、夜の栞日の可能性を切り拓くために、具体的な提案と実践を献身的に繰り返してくれました。彼のおかげで気づけたこと、みえてきたことが、たくさんあります。のむくん、本当にありがとう。〈good drinks KINO〉は、栞日のすぐ近くに、この初夏オープン予定です。栞日は、もちろん全力で彼の船出をお応援します。皆さんもぜひ、一緒に盛り立てていただけたら!

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そして、

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彼の年度末の退職が確定したのは、二月半ばのことでした。この時点で僕は、彼の後任にあたる誰かを公募で選ぼう、と決めていました。栞日のWEBサイトと各SNSで、スタッフ募集のお知らせをリリースしたのが二月下旬。応募期間は約二週間。我ながら、なかなかタイトなスケジュールで、かつ、かなりハードルが高い求人だと感じていました。こんなタイミングよく、この条件で「栞日で働きたい」と手を挙げてくれるひとが、果たしてどれほどいるのか。正直、不安でしたし、ひとりでもいれば御の字だ、と思っていました。

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でも、応募期間を終えてみれば、九名もの申し込み。しかも、そのうち六名が、東京、埼玉、愛知、岐阜など、県外からの応募でした。有難い限りでしたし、驚きました。嬉しかったのは、そういった皆さんが「栞日で働きたい」と言ってくれたばかりか「松本に暮らしたい」と考えてくれていたこと。僕自身が好きになって店を開くことを決めたこの街を、同じように好いてくれる誰かと出会うと、やっぱり嬉しくなってしまいます。遠方からも、今回の求人に目を留めてくださった皆さんに、改めて、ありがとうございました。

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これまで栞日のスタッフは、みんな僕から声をかけて仲間に加わってもらってきました。野村くんとは、僕が「夜の営業時間をもう少し延ばしてみたいなぁ」と考えていた頃に運よく再会できたし、週末アルバイトのメンバーは、歴代全員、元常連さん。つくづく人に恵まれています。その一方で「いつかは公募もしてみたい」と考えてきました。それは、僕にとっての「未知数」に出会えるから。栞日の可能性を押し広げたり、掘り下げたりできる誰かと出会えるチャンスだから。僕は今回、そんなイレギュラー(あるいはアクシデント)と遭遇したい、と願って、初めての公募に臨みました。

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そして、本当に有難いことに、その願いは充分に満たされました。応募してくださった皆さんとの面接の時間は、すべてとても有意義で、これまで僕が見過ごしていた栞日の表情やポテンシャルを幾つも示唆してもらえました。今回は、いまの栞日の経済力の都合上、どうしてもひとりだけを選び抜かなければならなかったので、もちろん苦渋の決断でしたが、最終的には「この人!」というひとりに、この先の栞日を一緒につくっていきましょう、とお伝えしました。

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週末アルバイトにも新たにふたり加わることが決まり、さっそく明日から新体制。この先はより一層、チームだからこそトライできる仕事に、ひとつずつ取り組んでいきます。試行錯誤を繰り返しながら、一歩ずつ前に進んでいきます。新メンバーのことは、追い追い紹介していきますが、まずはぜひ、店まで会いにいらしていただけたら、嬉しいです。

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これからも栞日を、どうぞ、よろしくお願いします。

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text|toru kikuchi
photo|kokoro kandabayashi