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こんにちは。店主の菊地です。
いつも栞日をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
今日は、大切なおしらせがひとつ。

昨年の春から一緒に仕事をしてきたバーテンダーの野村くんが、この度、自身の屋号〈good drink’s KINO〉として店舗を構え、独立開業する運びとなりました。それも、松本で。

〈good drink’s KINO〉は、国内外のクラフトジンと国産の柑橘が主役の店。五月半ばのオープンに向けて、目下計画が進行中です。店のイメージを尋ねると「うーん、でもバーとも違うんすよねー」という答え。「同世代やもっと若いひとたちにとって、バーの一歩手前にあって、本当に美味しいお酒を知ってもらえるような場所になりたい」と。繰り返し話を聴く中で、そこは、日常と確かに地続きのところにある、ささやかな、でも、大切な非日常を、さりげなく差し出す店なのだ、と僕なりに理解しました。確かな技術に裏打ちされた、真っ当で上質なドリンクを、普段着のまま愉しめる空間。これまでの松本にありそうでなかったグッドスポットが、この夏の初めに生まれます。

栞日で働き始めた当初は、数年のうちに故郷・和歌山に帰って店を開く、と決めていた野村くん。僕としても、それならばその間に個人や夫婦で店を営む肌感覚を知ってもらえたら、という考えがあって、彼に声をかけました。実際、夏から秋にかけては、帰省の度に現地のリサーチや具体的な物件探しも進めていました。「松本でスタートしようと思って」と切り出してくれたのは年の瀬のこと。彼の中で実にさまざまな要素を検討して検証した末にたどり着いたに違いない、奥さんの地元でもある松本での開業について、僕は多くを訊きませんでした。「のむくんがそれがいいなら、それがいい」と思ったし、実際それで充分でした。彼のドリンクの美味しさは、僕もよく知っているし、そのドリンクがこの先も近場で飲めるなんて幸せだなぁ、と思ったくらい。ただ、彼が栞日で働いたことで、出会えて交わることができた街の人たちや、初めて見えてきたそれまでとは違う街の風景が、彼の松本での開業という決断を後押ししてくれていたのなら、それは嬉しいことだなぁ、とも思っています。彼のビジョンは明確だったので、当初「二年間ほど」とお互いに考えていた栞日での勤務期間はぐんと短くなって、この三月末、野村くんは栞日を卒業します。

一年間という短い期間でしたが、野村くんは僕たちにたくさんのことを教えてくれました。栞日の夜営業の可能性。サービスマンとしての美しい所作と心配り。本当に美味しいドリンクの味わい。それらのことをしっかりと受け止めて、栞日も次に進みます。そしてもちろん〈good drink’s KINO〉の船出を、全力で、全面的に、応援します。(先日、改装前の物件を見学させてもらったのですが、程よいスケールでポテンシャルの高さを感じる空間でした。改装後の仕上がりが、いまからとても楽しみです。実は栞日の極々ご近所なので、オープンしたらぜひハシゴしてみてください!)

のむくん、この一年間、本当にありがとう!そして、これからもどうぞよろしく!!

text|toru kikuchi
photo|kokoro kandabayashi