ー ここは何屋さんですか?
開業当初から、今も変わらず、よくお尋ねいただく質問です。
ー ブックカフェです。
と、お答えすることが多いのですが、
本屋というには品揃えが偏っているし、カフェを名乗るにはメニューが乏しい。
上の階で企画展を催すこともあり、音楽の演奏などのイベントも時折。
確かに、何屋か分かりません。
ただ、それは、栞日がはじまる前からの必然でした。
ー ずっと暮らしたい街をみつけたら、
その街にはまだないけれど、あったら愉しくなりそうな、
ちょっと面白い場所を創ろう。
随分と偉そうで、押し付けがましい態度ですが、
これが学生時代に店主の決めた、大袈裟にいえば「生き方」です。
思いのほか、早々に、「ずっと暮らしたい街」と巡り会い、
そこに創りたい場所を考えたとき、出来上がった店が、栞日です。
本屋としてでも、カフェとしてでも、ギャラリーとしてでも、
思い思いに、ここでの時間を、過ごしていただけたら、嬉しいです。
この店を訪れたその日が、それぞれのひとにとって、
普段の日々に栞をはさんで、ひと呼吸する日になったなら、
それが何よりの喜びです。
栞日は今年も、誰かにとっての、この街にとっての、
句読点でありたい、と願います。
最近はドーナツを揚げ始めました。
ますます何屋か分からない栞日を、
どうぞ、よろしくお願いします。
栞日 sioribi|菊地徹