A|民藝の現在進行形
- しかし、むろんこれは女が編んだのであった。
/ 「からむしの布」編纂室(協力:鞍田崇)
【 EXHIBITION 】4.26[金]- 5.26[日]at 栞日1F企画展示台
【 TALK 】5.19[日]18:30開場 / 19:00開始 at 栞日1F
▼ 分藤大翼 × 鞍田崇「からむしの布と本の話」
▼ 1,000yen + one drink order / 30名[予約優先]
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B|アウト・オブ・民藝
/ 軸原ヨウスケ・中村裕太(協力:誠光社)
【 EXHIBITION 】5.11[土]- 5.26[日]at 栞日2F企画展示室
【 TALK 】5.11[土]18:30開場 / 19:00開始 at 栞日1F
▼ 軸原ヨウスケ × 中村裕太「アウト・オブ・民藝 – 民藝運動のはぐれもの」
▼ 1,500yen + one drink order / 30名[予約優先]
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C|現在民藝館展
/ L PACK.[ 小田桐奨・中嶋哲矢 ]
【 EXHIBITION 】4.26[金]- 5.14[火]at 栞日分室
【 TALK 】5.1[水祝]18:30開場 / 19:00開始 at 栞日分室(List2F)
▼ 小田桐奨 × 中嶋哲矢 × 菊地徹「アップデートする目eye」
▼ 1,000yen + one drink order / 30名[予約優先]
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※ 【TALK】予約方法
▼ TEL|0263-50-5967[栞日]
▼ MAIL|info●sioribi.jp[●→@]
・ 件名|talking about 民藝
・ 本文|予約希望TALKのタイトル / 氏名 / 人数 / TEL
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「クラフトフェアの、その先に。」
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栞日の開業が2013年8月のことだったから、この街の商店主の一人として初めてクラフトフェアの週末を経験したのは、翌2014年の5月だった。その年「クラフトフェアまつもと」は30周年を迎え、記念誌『ウォーキング・ウィズ・クラフト』が発行された。帯文は「それでも、この場所を続けてきた」。綴られた当事者たちの談話から、その紆余曲折を垣間見た。
あれから5年。「あの場所」がいま何処に向かって歩き続けようとしているのか、僕には正直わからない。この5年、店に立っていて、あるいは出掛けた先々で、フェアに関するさまざまな意見を耳にした。松本を代表する一大行事であることに、もはや疑う余地はない。一方で、必ずしもポジティブな見解ばかりに出会うわけではなく、むしろ僕がその審美眼に惚れ込んでいる諸先輩や同世代ほど、批判的な見方をしていた。
フェアは何処に向かうのだろう。わからないから、考えることにした。足掛かりは、民藝。クラフト以前に、この街に息づいていた工芸。その世界を学ぶことから始めよう。
今年の「工芸の五月」に栞日は、民藝にまつわる3つの企画を同時開催する。奥会津の昭和村で継承される苧麻(からむし)を巡る営みにスポットを当て、民藝の現在地を探る「民藝の現在進行形」(栞日1F企画展示台)。柳宗悦が提唱して同志たちと推進した民藝運動からはぐれたものたちに眼差しを向け、そこにこそ潜む光を見出そうとする「アウト・オブ・民藝」(栞日2F企画展示室)。民藝という概念に、現代美術のフィールドから鮮烈な新訳を加え、その解釈をインスタレーションで表現する実験「現在民藝館展」(栞日分室)。
これらの企画はいずれも、いまこの時代に民藝を語る言葉を有する面々による、問題提起であり意思表示である。今回僕は、総花的な印象を与え得る危うさを自覚しつつも、あえて、これら異なる視点とアプローチの企画を束ね、民藝を自由に議論する場を試みる。題して「talking about 民藝」。歩む先を見定めるために深く思索する時間を、自らに課したつもりでいる。
菊地徹 / 栞日
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photo|KANDABAYASHI Kokoro
illustration|KOBAYASHI Moe(vent de moe)
design|KOBAYASHI Takeshi(SURFACE)