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▲ 夜の木[第五刷]/ 3,200yen+tax

今年も、吉祥寺「タムラ堂」から、インドの絵本『夜の木』が届きました。
第五刷となった今回の表紙は、「客人たちが帰る」の場面。
この夕焼け色は、日本オリジナルです。

『夜の木』の原書(英語版)は、
南インド「ターラー・ブックス」発行の” The Night Life of Trees “(2007)。
精霊の宿る木々を描いた作品集です。

プリミティブで、かつ洗練された絵を描くのは、中央インド・ゴンド民族の三人のアーティスト。
圧倒的な美しさで、漆黒のページに浮かび上がる樹木たちの姿には、ただただ心を奪われます。

この本に絶対的な存在感を与えている、もうひとつの要素は、モノとしての魅力。
黒い木綿の端切れを原材料に、手で漉いた黒い紙。
画家と出版社の緻密な共同作業を経て仕上がった版を、
1枚ずつ手で刷るシルクスクリーン印刷。
束ねたページに穴を開け、手で糸を通して綴じる製本作業。
文字どおりオールハンドメイドの1冊は、それ自体が唯一無二の作品です。

まだ手元にない方も、以前の版をお持ちの方も、
ぜひ改めて、この本の魅力に酔いしれてください。