固定観念や常識から離れ、物事を細部まで注視し、
本質を察知し、別の何かを醸し出す。
その工程を「文化的/社会的醗酵」と名付け、
「食」に携わる人たちに、新しい視点でインタビューを試みる、
不定期刊行シリーズ「ferment」のお取り扱いが始まりました。
手掛けるのは、名ブログ「美味しい世界旅行!」で知られる、(よ)さん。
記念すべき1冊目は、
「新宿駅最後の小さなお店」として余りに有名な
「ビア&カフェ ベルク」が舞台。
その独創性を井野店長と共に支える、
副店長・迫川尚子さんへの、6万字に及ぶインタビューの記録です。
前半は、迫川さんがご自身の著書『食の職』でも触れていた、
「味を形で記憶する」という話題について。
後半は、写真家でもある迫川さんが、
日々撮影している料理の写真の数々を眺めながらのフリートーク。
いずれも読み応え満点で、ぐいぐいと会話の世界に惹き込まれます。
坂口恭平さんのドローイング作品「ランニング・ステッチ」の表紙が目印。
続編が楽しみで仕方ないシリーズの創刊号です。
お見逃しなく、ご堪能ください。