旅雑誌『PAPERSKY』を発行する「ニーハイメディア・ジャパン」から、
写真家・石川直樹さんの写真集「THE VOID」が届きました。
「写真家として生きていくことを決めた出発点」
とご自身が語る最初の作品集で、
先住民マオリの聖地として受け継がれる原生林を、
ファインダー越しに見つめた1冊です。
マオリの古老に話を聞いているうちに、
カヌーの材料となったカウリの木を実際に見てみたくなって、
この森を入ったという石川さん。
「海からやってきたマオリが森へ入っていったプロセスも興味深い。
森の木でつくったカヌーで再び海へ漕ぎ出し、カヌーが朽ちればまた森へ還す。
この場所は、森と海が人を介してひとつになっている、ということを感じさせてくれる」
「植物のほか何もないけれど、とても満たされている感覚になる。
一方で、沢山の生物もいて、気配も感じるのに、どこか真空のような「無」の雰囲気もある」
タイトル「VOID = 空間/無限/すき間」には、
そういった森の矛盾した感覚が、込められています。