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▲ 風の旅人 #50 /2,200yen+tax

ー 古(いにしえ)に天地(あめつち)未だ剖(わか)れず、
  陰陽(めを)分かれざりしとき、

『日本書紀』冒頭の引用から始まる、
雑誌『風の旅人』復刊6号の特集タイトルは「時の文(あや)〜不易流行〜」。
表紙と巻頭は、川田喜久治さんの写真です。

『日本書紀』の編纂を命じた天武天皇は、
白村江の戦いで、唐と新羅に敗れて以降、
律令国家に向けた体制づくりを急ぎました。
「天皇」という称号、「日本」という国号も、この時代に定められます。
新しいアイデンティティとコスモロジー。
その確立が国の存続にとって急務でした。

世界の構造や時空の捉え方を指す「コスモロジー」は、
古代より人類にとって、大きな命題のひとつです。
映像の百年を経て、地球上の様々な物事や仕組みが複雑に絡み合い、
真実とは何なのか、その定義付けがますます難しい現代において、
次世代と共有すべき理念とは…

今号も、写真と言葉の圧倒的な説得力を前に、
この時代の、そこに生きる自分の、
現在地を問い直すことになるであろう、力強い1冊です。