昨年の初夏、「工芸の五月」で賑わう松本の街において、
ひときわ人が集った場所が、「松本市美術館」の一角。
「井戸端プリント」と名付けられたその部屋では、
小さな子どもも、大人たちも、
「ZINE(小冊子)」づくりや、シルクスクリーン、カンバッジ制作など、
思い思いの創作活動に没頭しました。
仕掛けたのは、静岡・浜松を活動拠点に、
「新しいZINEのカタチ」を提案する、制作ユニット「ZING」のおふたり。
そのひとり、イラストレーター・友野可奈子さんから、
「新しいZINE」が届きました。タイトルは『いろり日記』。
ー いろりでごはんを食べたら楽しいだろうね。
そんなひと言から始まった「いろり de ごはん」プロジェクト。
山中の水窪から街中の浜松へ、いろりのある空間を移築する、という計画です。
しかも移築先は「万年橋パークビル8階」。駐車場の高層階です。
このユーモアあふれる活動の様子を、
友野さんが綴った絵日記が『いろり日記』。
温かく、そして細やかなタッチの絵と文字で、
プロジェクトの一部始終が語られます。
技巧を凝らした本の構成や装丁も、「ZING」ならでは。
ぜひ、お手に取ってご覧ください。