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▲『PERMANENT』#05 / 500yen
▲『山口さんの椅子/記憶』/ 1,000yen

東日本大震災から三年。

あの日の天災と、それに続く人災を受けて、
人間の根源的な営みである「食べること」を、改めて見つめ直そうと創刊された、
福岡の小冊子『PERMANENT』。

「つくる、たべる、かんがえる」

食材の生まれる現場や、誰かの普段の食卓を訪ね、
今とこれからの世の中における「食べること」の意味、楽しさ、大切さを、問い直します。

今号は「たべものの素顔」が特別編。

大分県中津市に、「有機農業宣言の農協」を掲げ、
自然循環型農業と飼料にこだわった農畜産物の生産を推進する、「下郷農協」を訪ねます。

戦後まもない設立以来、「組合員のための農協」の姿勢を貫き、
完全買取、加工、産直、履歴開示などに取り組むこの小さな農協は、
もはや地域農業に留まらず、地域生活そのものを支える中核を担っています。

そして、巻頭の「食卓の風景」も必読。

19年前、福島県うきは市の柿畑だった土地に、
家と工房を構えた木工作家・山口和宏さんは、
一人娘のふき子さんが大学で上京している今、
奥さまの文子さんとふたり、料理をして、食卓を囲みます。

娘さんの喘息やアレルギーを発端に、
「食べるもの」を見極め、「食べること」に試行錯誤を重ねたおふたり。
その料理はどれも、穏やかで温かな人柄や作品そのもので、
「食が人をつくる」という自明の理を、確信に変える「食卓の風景」です。

『PERMANENT』は、バックナンバーも含め、全号揃っております。
そのどれもが、健やかな食と、その先にある、
否、その先にしかないはずの、朗らかな未来のために、
どうか、じっくりと向き合っていただきたい、美しく、滋味深い、1冊1冊です。

鈴木るみこさんが綴る小冊子『山口さんの椅子/記憶』も、ぜひ合わせて。