2017.11.10
\ はじまります /
◎ 連続トーク企画|このまちに暮らすこと。
▼ 日程|2017.11.15[水]19:00-20:30
▼ 会場|無印良品 イオンモール松本
▼ 対談|
※ 以下、敬称略
▽ 三谷龍二(10cm)
▽ 前田大作(atelier m4)
▽ 永木卓(RITOGLASS)
▽ 中川圭(本・中川)
▽ 菊地徹(栞日)
▼ 料金|無料
▼ 定員|25名
▼ 予約|http://www.muji.com/jp/events/10300/
時代の大きな流れの中で、取り残されたり、取りこぼされたりしてしまうピースがあります。
一方で、そんな小さな声たちが、
暮らしに確かな手応えを添えてくれている、と気づくことがあります。
「このまちに暮らすこと。」は、日々眺めている風景が、
それまでよりすこし愛おしく眼に映るようになる幾つかの視点について、
毎回のゲストと一緒に考えを巡らせてみる連続トーク企画です。
年明けから始まる本企画のプレイベントとして、
11.15[水]に、運営メンバーによる公開座談会を開きます。
メンバーそれぞれがこのまちで暮らすことになった経緯、いまこのまちでやっていること、
今回この企画が立ち上がった流れについて、お話しします。
そして、2018年に全5回にわたって無印良品(イオンモール松本)での開催を予定している
連続トーク企画の概要もお伝えします。お誘い合わせの上、ぜひお出かけください。
#01|まちの本屋 = 2018.1
#02|山のあたり = 2018.3
#03|すぐそばの工芸 = 2018.7
#04|住むまちの選び方 = 2018.9
#05|我が家 = 2018.11
最近、松本に新しい風が吹いているように感じます。
地元出身者のUターン、移住者のIターンによってこのまちに住む人たちが増え、
これまでなかったタイプの飲食店が生まれたり、
本屋さん、ガラス工房などが開設されたりしています。
そしてそのどれもが質の高い内容をもっているために、
まち全体に影響し、まちが楽しくなっている。
そこで改めて思うことは、地方のまちにおいて、一軒の魅力的なお店の力、
あるいはそれを作ったひとりひとりの人間の存在はとても大きいということです。
それはある意味、打ち上げ花火のような町おこしイベント企画よりも、
まちにとってずっと大きな力であるように思うのです。
そういえば僕たちが旅行する時、
その町にどんな魅力的なお店があるのかをまず調べます。
旅行者にとっては名所旧跡もいいのですが、
そのまちにしかない一軒の美味しいお蕎麦屋さんを知ることは、
とても重要なことだからです。
その一軒一軒のお店の魅力が、ひいてはまちの印象を作っている。
そして、多くの旅行者に愛されるお店が自分たちのまちにあるということは、
住んでいるものにとっても、暮らしを豊かにする大切なことなのです。
「このまちに暮らすこと。」というこの連続トーク企画に集まった5人は、
松本市内に本屋を開いている2人と、工芸制作の工房をもっている3人によるユニットです。
そしてメンバーの仕事である本や工芸は、時代の先端というよりも、
昔から変わらずある仕事の形だと思います。
わたしたちがそれぞれの仕事を選択した時、
ほとんど無意識に時代の流れに抗う気持ちが働いたように思います。
インターネットが広がり、今は出版不況といわれる中において、
あえて新しく本屋さんを開店するということ。
あるいは、3DプリンターやAIが話題の時代にあって、
手でものをつくること、時間と手間をかけること。
どちらも一見、時代に逆行するようなところがあります。
でも、効率と便利さだけでは、人は幸福になれないのです。
そうした時、一冊の本、あるいは一枚のお皿が、
人にとって、暮らしにとって大切なものとして浮かび上がります。
たしかに本も器も、失ってはならないもの、生活を豊かにしてくれるものです。
逆にいえば、わたしたちの暮らしは、なにげないそういうものよってつくられているのです。
そしてその小さなことを疎かにしては、わたしたちの心が満たされることはない、
そんな気持ちから、わたしたちはこの企画を始めました。
「このまちに暮らすこと。」の連続トークを通じて、
みなさんと一緒にこのまちのことを考えていきたいと思います。
そして、このまちに暮らすことが楽しくなったり、いつものまちの風景が、
少しだけでも新鮮に感じられるようになったらいい、と思っています。
「このまち」は、わたしたちが生まれてから死ぬまで、ずっと暮らしていく場所です。
だから自分たちの住むまちは、私たちのひとりひとりの暮らしにとって大きな関心事です。
それを町おこしに多い経済の話ではなく、
生活者の立場から「人の暮らしはどのようにあるといいのか」を、
考えていけたらと思っています。
三谷龍二(10cm)
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ある日、三谷さんから電話がありました。
今度できるイオンに入る無印には「OPEN MUJI」というフリースペースがあって、
そこで何かイベントをやってほしい、という依頼を無印から受けました。
何か一緒にやれませんか。と。
そのときが来た。ぐっと拳を握りながら、ぜひご一緒させてください、と答えました。
その数ヶ月前から三谷さんとは、いまの松本に並存するレイヤー
(それは、世代や生活文化圏の差に起因する、
未知の世界に対する「食わず嫌い」にも似ていると、
個人的には感じているのですが、そんな断層/レイヤー)を、
少しずつでも掻き混ぜることができたなら、どんなに街が愉しくなるだろう、
と話ししていたので、僕の胸は「いよいよだ」と高鳴りました。
今回、このような大いなる実験に立ち会わせていただけることを、
心から嬉しく感じています。
一年後、一連の対談を終えたとき、このまちに暮らすことを、
どのような視点で考えるようになっているのか、僕自身、楽しみでなりません。
きっと、幾つもの歯車が噛み合って、次の舞台が回り出す音を、耳にすることになるはずです。
菊地徹(栞日)